そして・・・(2021年6月掲載)

データ(図面、文書、製品構成)は毎日増えていきます。この増え続けるデータに対して、いかにシステムのパフォーマンスを維持し続けるかは、システム管理者が頭を悩ませるテーマです。

 

 

データが増えデータベースが大きくなれば、処理に必要なデータがメモリにのらなくなりパフォーマンスが落ちます。登録ファイルが増えれば、ストレージ容量も圧迫されます。忘れられがちですが、バックアップにも時間がかかるようになります。データ増加に対応するために、データの整理とデータベースのチューニングをし、操作ログをチェックします。運用上負荷の高い検索を実行しない様に啓蒙活動を行い、システムを守ります。サーバーが社内に設置してある場合、4年目くらいからハード故障の警告が増えてきますので、メンテナンスにも時間を割かねばなりません。

このような活動をひたすら続けることで、ハードウェアリプレースを迎える5年間、業務システムとして稼働し続ける事ができました。継続運用のためのハードウェアリプレースの予算が通ったとなれば、一応完全とは言えないかもしれないけど、システムとしてはある程度評価されたのかと思います。

 

これから、5年に一度の一大イベントです。日進月歩のこの業界の流れを見越して、さらに5年後を耐えきるためのシステム構成を検討しなければなりません。

 

そのための基礎データとして、自分が管理しているシステムが、どのくらいのデータ増加率なのかを把握していることが必要です。この情報は運用し続けながらコツコツとチェックしておく地味な作業ではあります。例えば、ファイルの容量、データベースの容量、ユーザの登録の推移、アイテム数、サーバーの稼働状況・・・将来を予想するための情報はあるに越したことはありません。

 

これらの情報を基に、未来を予想しシステムを構築します。必要な情報を入手、理解して方針を決めるのは、楽しくもあり難しい作業でもあります。クラウドにするか社内設置にするか、各ライセンスの縛り・・・など、なかなか厄介です。

あわせて後進の育成も進めます。システム運営にあたり、自分が管理している機器の構成とその役割を把握していることはとても重要な事です。5年に一度の大イベントですので、このタイミングを通して次の世代へと引き継ぐのは良い方法です。

 

 

そして青写真を作り、発注から実機手配へ。機材の設置、配線、サーバー起動、ネットワークをチェックして、エージング。現システムの移行のため、データ転送などをしていると、初めて立ち上げた当時のことを思い出します。

 

 

 

 

作業している人たちを少し遠くから見ていると、

 

 

 

 

 

 

 

「現システムを守るだけではなく、新たなるシステム創造へのきっかけになればいいな」、と・・・。